雪の消えた田んぼの土手や山の斜面から、鮮やかな黄色の福寿草が顔を出している。別名を「ガンジツソウ」と言い、旧暦の正月に咲き始めることからこの名がついたとか。秋田や岩手の一部の地方では、「ツチマンサク」の呼び名も。語源は「土にまンず、1番に咲く」から。
園芸も盛んで、各家々の軒先や鉢植えとしてよく見かける。反面、自生地が失われ絶滅の恐れがあるとして環境省のレッドデータブックにも記載がされた。昔から愛され親しまれてきた花だからこそ、大事にされ栽培されてきたと言うのに、何と言う皮肉。
かろうじてこの村には、群生地と呼べる場所が存在する。野生のものを愛でる時、家に持ち帰るのではなく、その環境を守ってやることこそ、本当の意味での「愛でる」ことなのだと気付いて欲しい。
風に吹かれ、土手一面を黄色に染める光景が、この村に春が来たことを告げているのだと、子供たちに永久に伝えていくためにも。