ハッチョウトンボ

ハッチョウトンボ

ハッチョウトンボのメス トンボの飛ぶ季節になった。田んぼにも、草原にも、沼にも、川にも、至るところでいろんな大きさのトンボが飛び交う。このトンボの種類の多さこそ、東成瀬の自然の豊かさを伝える大きな指標なのだ。
ところで休耕田の水たまりや、湿地帯の浅い水辺の棲息する、小さな小さなトンボがいる。体調が約18mm。硬貨の中で1番小さい一円玉の直径は20mmであるから、このミニチュアのごとく小さいサイズには、ただため息が出る。小さいだけではない。色、形、その仕草、本当に愛らしいトンボである。
世界の最小種に入るこのハッチョウトンボが、今絶滅の危機を迎えている。日本中の各地だ、発見のたびにニュースとして流れる。言い換えれば消滅の場合の方が多いのである。我が村にも、3箇所から生息が確認されているが、その内の2箇所は個体数も少なく、環境の変化から(植物の生長に伴い、ハッチョウトンボが住み着ける環境でなくなっていると考えられる)ハッチョウトンボのオスやがて消えてゆくのではと心配している。幸い残りの1箇所は、彼らが住むのには最適の場所であることから、毎年多くのハッチョウトンボを観察することができる欲を言うならば、もう少し広さが欲しいところではあるが…
環境を壊されてしまうと、その小ささのため移動が出来ないと考えられている。つまり、いつも消滅が隣り合わせにあるわけである。ハッチョウトンボを是非見て欲しい。良くぞここにいてくれた、と誰もが思うほど愛すべきトンボなのである。

文/柴田 喜久子


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