コナラ(キノコの話2)

コナラ(キノコの話2)

 秋から晩秋へと季節は移り進み、毎日眺める周りの山々も永い眠りにつこうとしている。雪降る前の最後の山行きは、やはりキノコ狩りでしめたい。
  この晩秋に採れるキノコは、なかなか美味なものが多い。前回ユキモタシの名で紹介したオトメノカサをはじめとして、お馴染みのナメコ、クリタケ(ヤマドリ)、ムキタケ、ムラサキシメジ、ブナハリタケ(カノカ)、エゾハリタケ(ヌキウチ)などなど、この村で利用してるキノコの大半はこの時期に採れる。長い経験で優秀なキノコを見分けてきた昔の人たちの知識には、今もって驚かされる。
  そして今回はコナラである。県内では「ギンタケ」の名で人気の高いキノコである。コナラ林の、比較的きれいな林床に出るこのキノコは、言うまでもなく美味いキノコだ。一つ見つけると辺りを見回す。右、左、上、下…枯葉に隠れ黒く光る傘を探す面白さは、まさにキノコ狩りの醍醐味である。コナラは列を作って発生すり。これを菌輪というが、これには訳がある。キノコが地中深く伸ばす菌糸は、木の根と共生している。木の根から栄養をもらう代わり、木につく雑菌を防いだり、水分を吸いやすいように掃除をして木の成長を助けているのである。その木の根に沿って発生するので、列(菌輪)になるわけである。なんとも不思議な森の営みの果てに生まれるキノコを、我々がご馳走になっているのだ。コナラの本当の名は「シモフリシメジ」と言う。しかし今年は雪の時期が早いため、霜降りならぬ、雪降りシメジになってしまったのが残念でならない。文/柴田 喜久子


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