マルバマンサク

マルバマンサク

 薄くなった残雪をはねのけて、枝が立ち上がる音がする頃、日当たりの良い林緑の木に、緑の葉が出ないうちから黄色の花がポツポツ咲き始めます。
  細長いリボンの四つの花びらと、くるりと丸まった暗紫色のがく。”花”と言うには派手さはないけれど、盛りのときは木がボーッと黄色にかすみます。その様子から「豊年満作」のマンサクと言われていますが、春に「まず、咲く」が変化してマンサクと言う説もあります。
  東成瀬村のマンサクは、日本海側に多い葉の先端が半円形をしているマルバマンサクです。がくは、小豆色より黄緑色のものが多く見られます。花の頃には、足元ではフクジュソウ、カタクリ、キクザキイチゲなどが咲き出し、平地よりちょっと遅い春が来ます。
  初回は写真に四苦八苦。がくを写したくても目線に花が無い。残雪の上を行ったりきたり、見上げたり見下ろしたりで一日マンサクの花見。青い空にはタカ科の鳥が飛び、越冬した蝶がヒラヒラ。遠い国では争いで人々が苦しんでいるのだけれど…

文/柴田 喜久子


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