ニホンアカハライモリ

ニホンアカハライモリ

 正式名称で書くと何のことだろう?と首をひねるが、何のことはない「イモリ」のことである。彼等は両生類の中の有尾目(ゆうびもく)に属する。同じ両生類のカエルは無尾目(むびもく)である。読んで字のごとく、最終的に尾のあるサンショウウオやイモリの仲間と、尾のないカエルの仲間という意味である。
  この有尾目はさらに3つの科に分かれる。オオサンショウウオ科、サンショウウオ科、そしてイモリ科である。本州にはイモリ科の仲間は、このニホンアカハライモリただ1種である。さらに世界中で見ると、ニホンが北限にあたる。北海道にはいないので、つまりは世界中の北限が、東北になる訳だ。そう考えるとなかなか貴重な生き物なのだと気が付く。
  そうは行っても、腹部の派手な赤色は毒々しく敬遠されがちだ。事実、彼らの皮膚からは、フグ毒と同じテトロドトキシンという物質が出る。(まぁ、触っても問題ない程度の微量らしいが)自分の身に危険が近づくとその派手な腹部をみせて、「オイラは毒だぞ〜!」と身をよじる。その仕草がまた可愛い。
  この村の何処にでもいるイモリも、全国各地では激減しているらしい。おとなりの宮城県ですら一部で絶滅との報告がある。都会のペットショップで、普通に売られていることがその事実を物語る。
  イモリだけでなく私たちの村のごく普通の自然が、他の場所ではすでに貴重になりつつある。この村に住み、普通であることが、ごく普通に存在することが、妙に幸せを感じてしまうのである。

文/柴田 喜久子


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