アズマヒキガエル
雨のシーズンに似合う生き物は、カタツムリとカエルくらいのものであろう。童謡を始めとした歌や詩に登場するように、どちらもその愛すべくキャラクターが、昔からに親しまれてきた。
特にカエルは、幼生の時期であるオタマジャクシの頃から親しみがある。美しい蝶々でさえ、芋虫の時期は一般的に嫌われることを考えれば、カエルは一生を通じて愛されている幸せ者かもしれない。
日本のカエルは全部で43種類。そのうちの10種類が我が村にいると考えられる。その最大のカエルが「アズマヒキガエル」である。
通称「ガマ」と呼ばれる森の中に住む彼らの学名は、Bufo japonicus formosus という。直訳すると、なんと「ハンサムな日本のヒキガエル」と言うらしい。この大型のカエルがある日ある時、一斉に森から出て水辺を目指し、雪解け後の水たまりや比較的浅い沢の中で交尾をする。少ないメスを争奪するオスの群れで凄まじい光景となる。これが昔から言うカエル合戦である。冬眠から目覚めたばかりであるが、この交尾が終わると嘘のように静かに森の中へ消えていき、1ヶ月ほど春眠をするという。
カエルもまた環境に敏感な生き物である。このユーモラスな生き物がいつまでも存在する村であるためにも、もっと彼らの生活を観察しなければいけないと考えている。
文/柴田 喜久子