スギ

スギ

 東京にいる友人は2月が誕生日なので、もうめでたくない年令だけれど電話をかけると、決まって鼻声になっています。中旬には、スギの多い秋田に住んでいた頃よりひどい鼻炎に悩まされるそうです。
 スギの雄花は花粉は小さいので、風邪の強さで違いがありますが広範囲に飛びます。花粉の量は、午前の気温や日照時間や降水量、その年の寒さと開花時に降雨量に関係があります。子孫を残すための手段ですから、豊作の年や不作の年もあり、多く飛ばす環境もあります。アレルギー性鼻炎の原因の一つと発見されてから40年、大気汚染や食生活、生活様式の変化も要因なのに、スギはずいぶん嫌われているような気がします。
 スギは「直ぐ」「直木」「すくすく立つ木」が変化して「すぎ」になったといわれます。まっすぐで大きくなり、軽くて強いことから薄くも厚くも材を作りやすく、また、香りも良いため、いろいろ利用されてきました。
建築材として柱や板に、樹皮は屋根を葺くのに使われ、葉は線香になります。室町時代から日本酒の桶に使われて、枝葉は酒屋の杉玉です。また、神社やお寺にはスギの木が多く植えられています。
 スギは、日本の経済と文化を支えてきた木のはずです。
「スギを切ってブナを植えよう」などと言わないで、手入れをすればスギ林にも草花は育ちます。下刈り
した林をもう少し見ていてください。スギの枝から落ちる雪が、春の近いことを知らせています。

文/柴田 喜久子


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