ノウサギ(野兎)

ノウサギ(野兎)

  ウサギは人間にとってなじみの深い動物である。昔話やさまざまな逸話にも、その名前はたびたび登場する。今ではペットとしての扱いが普通であるが、冬の貴重なタンパク源としての「ウサギ汁」は、我が村の味覚を代表するごちそうでもある。
  国内の野生のウサギは、大きく分けて4種が知られている。北海道にいるユキウサギ、エゾナキウサギ、奄美地方にいる特別天然記念物のアマミノクロウサギ、本土にいるノウサギの4種である。
そして、ノウサギはさらに、キュウシュウノウサギ(九州野兎)、オキノウサギ(隠岐野兎)、サドノウサギ(佐渡野兎)、トウホクノウサギ(東北野兎)に細かく分類される。
ウサギと聞いて思い出す姿は、ほとんどが白いウサギである。「因幡の白ウサギ」や月で餅をつくウサギも、イメージになるのは白ウサギである。
  しかし面白いことに、ノウサギで冬に毛が白くなるのは、トウホクノウサギとサドノウサギだけらしい。ペットショップで売られている白いイエウサギは、ヨーロッパからはいってきたもので、日本の野生の
ウサギはほとんどが白くないのである。しかし、「ウサギ=白というイメージが古くから日本に定着していたことに、驚きと戸惑いを隠せない。固雪の上を散策すると、ウサギの糞をたくさん見ることができる。  近年、数を減らしていることに危機感を抱きながら、ウサギをはじめとする小動物たちが、いつまでも暮らせる豊かな森を夢見ているのである。

文/柴田 喜久子


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