4月下旬ともなれば、桜が咲き始めま す。村に植えられている桜の大半が、オオシマザクラの交配種のソメイヨシノです。テングス病になりやすく、寿命が70年と短く、人に手をかけられて生き残っています。
こちらは、村に自生して4月に咲く「マッコノキ」です。抹香に使っていた「カツラ」は、沢沿いにあり、日本全国の古樹巨木の中にも多い木です。花粉の化石から、1億年も前から変わっていない樹木とわかりました。雌花と雄花が別の木で、"花"は花びらもガクも無く、めしべが数枚のホウに包まれた写真の形です。雄花は花粉をだす蔚が垂れます。 大木になったカツラは、株立ちになります。崩壊した陽がいっぱいあたる場所を好むので、時が来るまで長い間待ちます。元の木が滅びても「種」を保存できるようにひこばえを出すので、寿命が四百年ほどと長いのです。
人のように、植物も植生や子孫の残し方が違います。どう思うかはそれぞれですが、これを読む頃、沢沿いの日当たりにある「カツラ」には、赤い小さな“花”が咲くでしょう。それを雄か雌かだけではなく、他の樹木や花とどう違う生き方なのかを考えながら見てみませんか。
文・写真/柴田喜久子