その2継子いじめ![]() 継子いじめ 手倉 本間 智佐子
昔々、あるどごろさ、お父とお母がいだけど。そして、めんこぇ女子わらしっこが産れで幸せに暮らしていだけど。そうしたある日、お母が急に体の調子が悪くなって死んでしまったんだど。お父は困ってしまったけど。そこで、少したってがら、新しいお母をもらったど。そのお母にもわらしっこ産れ、どちらもめんこがっていだけど。
そしてるうちに、先のお母のわらしっこどご何やっても、自分のわらしど比べでめんごぐなぐなって、毎日毎日いじめでばがりいだけどー。そして、ある朝、起ぎで外を見だば雪降りで、まっ白な雪の上さ、松かさが落ちで何んとも言えねえほどきれいだったけどー。そごで、お母は二人のわらしこを呼んで、「その景色見で何が思ったごど言っての?」と言ったば、継母のわらしっこ早速、「雪の上さ松かさ、松かさの上さ雪」と、けろっとした顔で言ったけどー。今度は先のわらしさ言ったば、思案してがら「さら〜と雪降りて、雪を根として、積る松かさ」と詩を詠んだけど。そしたば、継母がびっくりしたのなんのって、あんまりの差があって、ますます憎くなり、毎日毎日いじめでばかりで、食い物も自分のわらしさばかりかせで、先のわらしさべっこしかかしぇねぇけどー。 ある時、お父が上方参りさ行ってくるごどになり、「二人のわらし達頼むがらなお母」と言って、わらし達さ手ふって旅立って行ったけど。 お母はお父のいねぇうぢに、この時とばり、毎日毎日先のわらしどごいじめでいだけど。 ある時 「山さ行って、萩八束手で折って持ってこえ」 と、言いつけられだけど。わらしこぁ泣く泣く萩を折り、血を流してやっと、家さきたんだど。そしたば、今度ぁ、大っきいなべかけで、めかご(竹などで編んだ目のあらいカゴ)で水千回汲ませだど。そして、湯っこぼんぼんにだでて、そのにだでたなべに萩で橋をかけで、その上を渡れっていったけど。そのわらし無理やり渡らせられで、そのなべに落ぢで焼死んでしまったけど…。 やがて、上方参りから帰るころになり、お母は急いでお父が帰って来ねぇうちにと、家の裏の庭のすみっこを掘って埋めでおいだけど…。 お父が上方参りの旅から、二人のわらし達さ、土産をいっぺぇ買って帰ってきた。 その時、それゃそれゃ見事な見だごともないきれいな鳥っこが飛んで来てお父の肩さ止って鳴き出したけど…。 「今日の父は上下り、継母言う事にゃ、萩八束手折りで折って、めかごで水汲んで萩の橋渡るどってチュウラリ、カラポン」と鳴いだけど。 んだどもお父は、何んの事だがさっぱり分からねえで、首をかしげでだば、今度は、死んだわらしを埋めだ庭のすみっこでまだ鳴き出したんだど。 不思議に思ったお父が庭のすみっこを掘ってみだば、見るも哀れに焼けただれだわらしが出て来たので、ひっくり返るほどびっくりしたけど。お父がお母に 「これは、いったい何んとしたことだ」と問いつめると、お母は 「おれが悪かった。ごめんしてけれ」とあやまった。 けれどもお父はかんかんに怒ってお母をまるはだかにして、長い髪の毛を引っぱって、カヤ(ススキ)の中を引きずり回しお母の体はカヤで切れて血がダラダラ流れて死んでしまったそうな。トッピンパラリノピー ※だから「カヤ」のところどころが赤く血で染まったようになっているのは、その時の血のあとだそうです。 (終わり) |










