その4スズメの敵討ち

スズメの敵討ち

岩井川 備前 ムツ

昔 その昔のこと
柳にスズメが巣を作って、チュンチュン鳴いてえだけど。
そござ山から山んばがやってきて、「スズメ、スズメおれさ、その卵けろ」と言ったど。
したばスズネぁ「いだましくて、けられねぇ」と言ったば「んだばおめぇどご飲むぞ」と言ったので、いだましがったが、一つけだど。その卵を取りっぱずして、馬のクソさペタンと落としてしまったど。まぁだ山んばは「馬のクソさ落どしたかれねぇ、もう一つよごせ」と次々と取りあげだど、「あどねぇ」と言ったば「んだば、んがごど飲んでけるぞ」と言って親スズメまで食ってしまたど。
その馬クソに落ちだ卵から生れたスズメは、三年後に敵討ちのために山んばのいる山に向かった。
途中、ビタビタとビタクソがきて、「スズメどごさえぐ」と聞いたば「三年前の親の敵とりに行ぐ」と言ったど。
つぎにまだ、そごさ、まっかだぶり(木のまっか)もきて、同じごどを聞いだど。そして、スズメだちは、まかまかビッタ、まかビッタ、チュンチュンと歩いていると、針・うす・トヂ・ハチ・ヘビも集まってきて、一緒に敵討ちに行ったど。したば山んば留守だけど。
そこに、皆で相談して、ヘビは味噌ガメに入り、トヂはいろりに入り、針は寝床に入り、ハチは裏口、まっかだぶりとビタクソは入口、うすは張の上にいで、山んばのくるのを待ってだど〜。
しばらく待ってたば、そごさ山んばがきて、「さんび、さんびぃー、上から山風吹いてくる。あゝさんび、さんび」と、いろりの火をボリボリほって、尻を出すど、トチがバチンとはじけだど。
山んばは、「あや熱ちでぁ、熱ちでぁ、味噌つければいいもんだ」と、味噌ガメに手をつっこんだど。したばカメの中で待ってだヘビぁ、ガヂッとかぶりついだど。「あやいでぇで、いでぇでえ、こんだじぎぁ、寝るしかねぇべ」と寝床さ走ってえて寝だば、こんだぁ、針が体中ヂガモガと刺さたけど。とでも痛でくて寝でられねぇくて、裏口さ逃げるどて行ったど。
裏口さ行ったば蜂が待ってであっち、こっち体中刺されだど。「あや、いででで…」と、逃げまわってるど、ビタクソに足をすべらしぇで、ゴロンと、ころんだど、そしたばその上さ、ちょうどえぐ張りの上のほうがら、ゴロゴロどすんとうすが落ぢできて、山んばの体の上さどさっと、のさったけど。山んばは、体も動けねぇば、声も出ねぇでえだば、そごさ、まっかぶりがえかまかどやってきて、山んばの首をギューとおさえだど。山んばは、「ごめんしてけろー、ごめんしてけろー」と、なんども、なんども鳴きながらいったど。
山んばは、こんどから悪いごどしねぇって、みんなに約束したど。
親の敵をとってもらったスズメは、助けてもらった皆さんにお礼をいって帰ったど。

トッピンパラリーのピーのさんしょうの実っこパラリ

(終わり)


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