その5和尚さんと小僧〜あめた風〜

和尚さんと小僧〜あめた風〜

田子内 福地タケ子

々ある所に和尚さんと小僧さんがえだっけどー。二人はたいそう仲よく暮らしていだっけど。
毎年一年で一番寒い時、寒の中ごろになれば、かならず大きな袋をつぐって、「寒風」をいっぺいつめでしまっておぐけど〜。そして、夏の暑い暑い日、和尚さんが近くのお墓にお経をあげて帰ってくると、
「あ〜、暑い暑い」といいながら、一人で自分ばり風っこあてで、涼んでえだっけど。
そばで見ていた小僧さんは、風っこ入れるじぎぁ、二人でやったけたって、暑いきぁ一人で涼んで小僧さんさは、
「おめぇも一回涼んで見ろ」とは言わなかったそうだ。
ある時、小僧さんは、和尚さんが仕事で少し遠くさ出かけだ時、”この時だ”とばかり「俺も一回涼んで見るべー」と風の袋をあげて、風っこあでで見だど。あまりに気もぢっこえくて、ぐっすり眠ってしまたけど。
目がさめで見だば夕方になってだけど。したば、風の袋はみなからになってだけど。目がさめでびっくりして、何とかして、袋をふくらましておかねば和尚さんにおごられる。と、
小僧さんは、へっぴり上手でケッツ天さ向けで、風っこ吸って、袋さケツあでがってブーと何回もやって、やっと和尚さんがこねぇうぢ、袋さえっぺぇにふくらましておえだど。
 和尚は暑い暑いといいながら帰ってきたけど。そして、いつも通り風の袋がら、風っこ出してえだば、「あら!!」今年みだいなごどねえんだ。寒風もあめで「へ、くさぐなったなや」と、ひとりごと言ってだけど。
小僧はふきだすぐれぇおがしがったが、がまんして笑わねぇでいだけど〜。
錦サラサラ、五葉の松原、トッピンパラリの下のたんこのビー。

(終わり)


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