その8すずめっことキツツキ![]() すずめっことキツツキ 手倉 本間智佐子 むがしむがしずっと大むがしによ、キツツキとすずめっこぁ姉妹だったけど。そして、とでも仲えぐくらしてだけど。とごろがよ−。姉のキツツキにぁ、とでも困ったくせぁ−ッあったけど。それど言うのは、まずまずじまんこまげで、口べんこ何回もぬったり、つけだり長げぇ時間かげで化粧するんでもんだけど。それさ、くらべで妹のすずめっこどきたら、まるっきりかまわねぇで、せえぜえおはぐろつけるぐれぇだげど。そうしてるうぢに、二人の姉妹だ遠ぐの町さ働ぎに行くごどになったけど。二人ながら、一生けんめい働いだのでみんなにめんこがられで、幸せにくらしていだけど・・・。
そうした、ある朝間のごどだけど。二人して髪っことがしていだば、「いながのあば、急に病気になって大変だがら、すぐ家さもどってけれ」って、知らせが届いだけど、二人ながら、腰ぬげるこらびっくりしたけど。 妹のすずめっこおはぐろぬるどて、口開げたじぎどでんしたひょうしに、ぽっぺたさおはぐろつけでしまったけど。んだのもそんたなさかまわねぇで、そのまま飛んで家の方さ行ったけど。 姉のキツツキぁ、あわでて飛んで行くどころが、ますますおしれっこてねえにしけで、えぐようにせば、「ほほう、しばらぐ見ねぇでらうぢにまんつきれぇになったごど」ってほめられるべど思って化粧して行ったけど。 ほっぺたさ、おはぐろし(つ)けたまま飛んで行ったすずめっこぁやっと、あばの死に目さあうごとでげたど。あばすずめっこどご見でよぐ来てけだな、ありがど、あがど」って涙っこ流して喜んだっけど。姉のキツツキぁおしれっこぬるなさ手間かげすぎで、家さついだじぎぁ、あば死んでしまって、だみ出した後だけど。それを天で見でいだ神様言ったけど、「すずめこ、すずめこおめぇ親思いの子だがら、これがら人間の近ぐで住めるようにしてやる。そうすれば、米っこもあまりなんぎしねぇで食えるだろう」と、言ったけど。それですずめっこぁ家の近ぐさ巣っこ作るようになったんだど・・・。姉のキツツキぁどごさ神様、「おまえは、自分の化粧するごどばがり考えで、たった一人の大事な親の死に目にもあえねぇ親不孝者だがら、自分で餌さがせばえぇ」って、とでもごしゃえで言ってだけど。んだがら、キツツキの羽っこきれいだども、すずめっこみでえに、家のそばでくらすごども出来ねぇで、木さつかまって、トントントン口ばしで木つづいで、自分で餌さがさねぇばでげねぇぐなったんだど。すずめっこのほっぺさ丸いはん点っこついでるないよ、あれあ、あばさあいに行ぐじぎ、あまりあわででつけだおはぐろのアド(跡) なんだどよ・・・。とっぴんぱらりのぷ〜 *くせえ=偏った習慣 *おはぐろ=大人になった女性が歯を黒くそめること *おしれっこ=おしろい *口べんこ=口紅 *めんこい=かわいい *だみ=お葬式 *ごしゃえで=おこって (終わり) |










