その11 唐土の虎![]() 唐土の虎 大曲市 佐藤茂樹(岩井川出身) 昔、じさどばっぱどいだけど。
屋根も古しぐなり、雨もりしてどうにもならねけど。 ある年の暮、雨雪がおぢで来てムリぁむって来だど。「なぁ、ばんばこんた晩なば唐土の虎来るべなや、おっかねな。」「何でがじさ、俺なば唐土の虎より古屋のムリぁおっかね」 …ところが、とっくに唐土の虎が馬屋(マヤ)に入って馬をたいらげで、この話を聞いでいだど…。そして「俺ぁこの世で一番強えど思ってだば、もっと強えのが居だどな」おっかねもんだと思ってだら、そごさバグローが馬ぁ盗むつもりで馬屋さ入って来て馬だど思って虎の背中乗ってしまったど…。 虎は虎で、古家のムリが背中に乗っているど思って、バクローどご乗せたままビューっと逃げで行ったば、木の枝が横にのびていたのにぶっつかった。したばバクローは背中から落ぢる時見たば虎だと分かり、びっくりして、そばの木の枝にかくれだど。 虎はおっかね古家のムリの話を動物たちにして「誰が木の穴に入って見ろ」と言ったが、誰も入らず逃げでしまったど。ただ、一番弱い兎がしっぽを穴に入れると、バクローは兎のしっぽを小刀で切りおどしてしまったど。 それで虎は「こんなおっかね国さ居られね」と海を渡って朝鮮さ逃げだど…。虎はスイスイ泳いで渡ったが、兎は切られたしっぽが痛くて海を渡れず日本に残ってしまったど…。 それで日本には兎がいるが虎は居ねえなんだど。 トッピンパラリのプー この昔っこは、全国どこでも語られておりますが、語る人や地方により、かなり内容がちがっていますが楽しい語りとなっています。 (終わり) |










