石童丸(3)
田子内 藤原 晴子
毎朝殿様の髪結ってけだり、着がえの手伝いをしたり何んとよ<気のつ<娘っこなんもんで殿様もちょこっといたずらっこしてしまったど。
そしたば、そのいたずらっこ本物になって、娘っこの腹っこプクッとはれて大き<なってたけど。
さあお城が大さわぎになった。
でも殿様、自分の不始末だがら、娘っこどご嫁にする事にしたど。
殿様の奥方になったキツネは大喜び、これで一生殿様のそばで<らせると思ったど。
そして間もな<、大きな男の子が生れだけど。殿様喜んで石童丸と名前つけだけど。
石童丸も三歳になったけど。そんなある晩の事、殿様仕事から帰って、自分の部屋に入ろうとして、
ギグッと立ちどまった。耳が二本生えた高島田がいねむりをして、ぐらぐらと動いている。
そこから逃げるように、隣の部屋に入ってひと休みすると、そこには、かわいい石童丸がねでだけど。
しばら<して、さっきの部屋にもどったら、目をさましたいつもの気のき<奥方になっていたそうな。
次の朝、殿様は髪を結ってもらう時、手鏡をもって後ろの奥方を見たば、やっばりキツネが殿様の髪結いを一生懸命だったけど。
今まで髪を結う時、絶対に手鏡をもたせねえがったので、殿様も不安な思いになってきた。
奥方も殿様鏡っこもって後ろの方見だら、と不安之なった。
今まで幸せだった、大すきな殿様どご騙してきたごどを悩むようになってきたけど。
石童丸も手もかがらなぐなったし、山さ帰ろうが一、殿様ど石童丸と別れるのもつらいし、キツネの奥方悩んで、悩んで、苫しんで、気ちがいのようになってきたけど。
〈次号に続く〉