石童丸(4)
田子内 藤原 晴子
ある晩の事、石童丸の母上は、殿様が仕事がら帰って来ないうちに、石童丸どご寝がせで、殿様のヌズリ箱もって来て、障子さ詩書えだけど。
半分けものになりかげだから、あたまさ耳出できて、髪を振りみだして、手さ筆もでなぐなって、口さ筆き<わえて、すばらしい字で詩を書きあげだけど。
そして、殿様帰って来ねえうじ、はだしで帯ひきずって、髪振りみだして、山さ帰って行ったけど。
殿様帰って来て、障子の詩読んで、がっ<りしたけど。来る時が来たな、と思ったので、かわいい石童丸どごば、まま母もらわねえで、大事に、大事に殿様そだでだけど。石童丸4、5歳之なったば、「友達の家にあ母様いるのも石童丸の母上どごさ行った」って聞かれで、殿様返事に困ったけど。
武士の子に成長した時、殿様、今までの事みんな語って聞かせで、母上に会いに行ったけど。
若い時殿様が狩りら行った山さ、石童丸をつれて行っよて母上!母上!って呼ばせて、殿様は遠<で待ってたど。
石童丸が呼ぶと、椿のやぶの中から、きれいな母上が出てきて、石童丸をだいて泣えだけど。5、6年も見ないうちにりっぱな武士の子に成長した石童丸を見で、キツネの母上も安心して石童丸さ、「お前は、人間の子だがら、カエルを食ったり、ヘビを食ったり、殺生な事はするなよ」と言い聞かせ、泣きな
がら、椿のかげに消えで行ったそうだ。トッピンパラリのプ―
(終わり)