ねずみと一粒の豆 (その1)

ねずみと一粒の豆 (その1)

手倉 本間 智佐子

 昔、あるどごろさ、爺様と婆様がいだけど。
 ある日、爺様が庭はいでだば豆っこ一粒落ぢでで、その豆っこ拾うべど思ったば、コロコロと転がってネズミの穴っコさ落ちていってしまったけど・・・
 それから少し日がたったある日、爺様がいつものように庭はいでいだら、チョロチョロとネズミが爺様の前さきて、「じさ、じさ、この前豆ッコ貰ってどうもありがど。その礼に俺たちの家でごっそうするがら、俺のおっぱさジッタリしめぇで、まなぐッコびっしりつぶって、俺がええっていうまで、まなぐつぶっていでけれな」 爺様はネズミの言うとおりにしてたば、「まなぐあえだてええ」って、いわれてまなぐあげだばそりゃそりゃ広いネズミの部屋で、ごっそういっぺえ作って、爺様の来るのをまっていだけど。
そして、今度は「餅つきするがら、爺様、猫の声だけぁぜったい出さねぇでけれな」
「ハイハイ、ぜったいしねぇがら安心してけれ」ネズミたちは、にぎやかに歌っこ歌いながら餅つきを始めただけど・・・。
「ア、コッカラコッカラ、コッカラダ コラ 猫ひゃで来ねぇばオラミヨァミヨダ コラ スコカンスコカン」
 餅つぎも出来で爺様は腹イッペァごっつぉう食って、宝物いっぺぁ貰って、ばあさまと二人喜んで
座敷いっぺぁに広げでえだけど〜。 
(次号へ続く)

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