地蔵様とおにぎり (その1)

地蔵様とおにぎり (その1)

岩井川 備前 ムツ

 昔、じさどばっぱとえだけど。
じんじぁ山さ、木を切りにいって、昼間になったんで、 まま食うどて、ばんばから握ってもらってきたにぎりまま広げて食てだど。したばゴロッとにぎりまま落ぢで、 ころがって行ったけど。
 じさ、「待ででば、待ででば」と、にぎりままぼって行ったけど。どんどんとぼって行ったば、地蔵堂のところで止まったけど。じんじは、土のついたどごろを、わぁが食って、地蔵様さは土つがねぇどごろを上げで、おがんだけど。
 したば、地蔵様が、
「じさま、ばんげになればオニッコだきて、バグヂぶちするから、オレなの屋根裏さ上がって、ニワトリコのまねしれ」と、言ったけど。じんじぁ、
「んだたて、なんじして上がったらえがべ」と、言ったば、
「じさ、オレどさ上がれ」「もってぇねぇふて上がれもへね」
「上がっても、とでも届がねぇ」
「んだら、オレの手のひらさ上がれ」
「ほれなば、もってねぇふて、上がれもへね」
あんまり言うなで、上がってみだば、
「んだたて、まだ届がねえ」
「んだら、オレの肩さ上がれ」と、言ったけど。
(次号に続く)

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