地蔵様とおにぎり (その2)

地蔵様とおにぎり (その2)

岩井川 備前 ムツ

 ばんかだになったば、オニコだ集まってバクヂ打ち始めだけど。いいやんべえたまって、ええなぁと思った時、地蔵様こっそ り
「こんだ、じさええぞ」と、おしえだけど。じさ、
「コケコノヨー」と、ないだけど。ほしたばオニコだ、
「アラ、夜があげだ」と、どしめがして、バグヂ打ったやつを置いてワラワラど逃げて行ったけど。
  じさ、屋根裏から降りてきたば、地蔵様、
「このオニコだ置いでえたやつ、家さ持ってえて、何かのたしにしろ」と、言ったど。じさ家さ持っていって、ばんばにその話して、ほのじぇんこで、町さえって、着るものやら食うもの、えっぺえ買ってきて、食えるものぁ、食ってだけど。そごさ、隣のヒクヒクばばこ来て、ヒックヒック ヒック、 「火っこけでけろ」と言って来たけど。
「火っこぁけるども、おら家の母ぁのまま食ってけろ」と、ばっぱのべだけど、となりのばんば、
「まんづ…えづの間にこうおやがだしゅになったんべー」 と言ったけど。
  したば、じさ山さ行って、にぎりまま転がって、地蔵様さけだば、ばんになればオニコ来て、バグヂ打つへゃんてが、と言って、ニワトリの真似したけど…。ほの置いでえったじぇんこもらってきて、食てらんだ。と言ったど。
  隣のばんば、「んだごたば、おら家のじさまどさ、にぎりままこしぇで山さやらねね」と言って、火っこもらって行ったけど。
(次号に続く)

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