宵節句(よいぜっく) その2

宵節句(よいぜっく) その2

田子内 藤原晴子

 雨もやんで夜暗くなってから、ワラシだ三人ばかり村さ帰ってきたけど。村ではワラシだオニにさらわれだどて大騒ぎしてだけど。
「あら、おめぇだもオニにさらわれだど思ってだば、どごさかぐれでだけてよ」
と、村の人達はびっくりしてワラシださ聞いだけど。ワラシだ暗くてよく分がらねぇけ。あした明がりぐなってがら行って見るべって、言ってみんな家さ帰って行ったけど。
  次の日、ワラシだと村の人達ぁワラシだ隠れだどごさ行ってみだば、神社の堀のふじさ生えでだヨモギとヒョンシコの中さ隠れだあどぁあったけど。
  村の人達ぁオニだぁヨモギとヒョンシコしぎでねぇんだなぁ、と思ったど。次の年の五月四日の夕方、家のへぇり口や周りの窓さ、ヨモギとヒョンシコさげで早めに家の中さ隠れだど。だが、その晩もオニコぁ山がら出て来て家々回って見だそうだのもワラシだ一人も連れで行かなかったそうだ。
  それから、ずーっと五月の四日の夕方になると、どこの家の軒下さ、ヨモギとヒョンシコさすようになったど。
とっぴんぱらりの ぷー

(終わり)


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